フォルテオ注射液 についてのあれこれ備忘録

フォルテオの勉強会で学んだことの備忘録です。。。


製品情報
販売名:フォルテオ皮下注キット600μg
一般名:テリパラチド(遺伝子組み換え)
欧文一般名:Teriparatide(Genetical Recombination)

禁忌

次の患者には投与しないこと
高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症を悪化させるおそれがある。「重要な基本的注意」の項参照]
次に掲げる骨肉腫発生のリスクが高いと考えられる患者[「その他の注意」の項参照]
骨ページェット病の患者
原因不明のアルカリフォスファターゼ高値を示す患者
小児等及び若年者で骨端線が閉じていない患者[「小児等への投与」の項参照]
過去に骨への影響が考えられる放射線治療を受けた患者
原発性の悪性骨腫瘍もしくは転移性骨腫瘍のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
骨粗鬆症以外の代謝性骨疾患の患者(副甲状腺機能亢進症等)[症状を悪化させるおそれがある。]
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳婦[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
本剤の成分又はテリパラチド酢酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者

効能・効果及び用法・用量

効能・効果
骨折の危険性の高い骨粗鬆症
効能・効果に関連する使用上の注意
本剤の適用にあたっては、低骨密度、既存骨折、加齢、大腿骨頸部骨折の家族歴等の骨折の危険因子を有する患者を対象とすること。
用法・用量
通常、成人には1日1回テリパラチド(遺伝子組換え)として20μgを皮下に注射する。
なお、本剤の投与は24ヵ月間までとすること。
用法・用量に関連する使用上の注意
本剤を投与期間の上限を超えて投与したときの安全性は確立していないので、本剤の適用にあたっては、投与期間の上限を守ること。[「その他の注意」及び「臨床成績」の項参照]
本剤の投与をやむを得ず一時中断したのちに再投与する場合であっても、投与日数の合計が24ヵ月を超えないこと。また、24ヵ月の投与終了後、再度24ヵ月の投与を繰り返さないこと。
他のテリパラチド製剤から本剤に切り替えた経験はなく、その安全性は確立していない。なお、他のテリパラチド製剤から本剤に切り替えたときにおける本剤の投与期間の上限は検討されていない。[「その他の注意」の項参照]



特徴

テリパラチドは、副甲状腺ホルモンを人工的に製造し、活性部分のみ取り出し活用している製剤です。
副甲状腺ホルモンは通常、血中Ca濃度の維持をしているホルモンで、血中Ca濃度が低下すると、骨を溶かし血中Ca濃度を上昇させようとする働きがあります。つまり副甲状腺ホルモンが多く出されると結果的に骨密度は低下してしまいます。
ただ、機序については未だ不明ですが副甲状腺ホルモンを間欠投与すると、逆に骨密度が上昇するらしく、その原理を利用したのがテリパラチド(フォルテオ皮下注)です。



他の骨粗しょう症治療薬との比較

ビスフォスフォネート製剤(BF製剤)は破骨細胞の働きを抑制することで骨吸収を抑制し骨密度を上昇させているが、フォルテオは骨芽細胞を活性化することで骨形成を促進する働きがあり。骨形成が促進されることで、骨内部の網状構造など自然な骨の形状を作ることができる。






注意事項あれこれ


2年間(24か月)の縛りについて
理由はラットにテリパラチドを投与したところ骨肉腫などの骨病変が確認されたから。
その後の調査で骨が成長し続ける「げっ歯類」に高用量(2.448倍)を投与した場合に確認される副作用ということが判明したが、安全性を最大限考慮し世界共通で24か月という縛りを設けた。
 1本28日分 ⇒ 2年で26本と2回分 に相当。 ⇒ 26本までは処方可能

 

容量600μg(30回分)について
テリパラチドは1回20μgの皮下注なので、600μgだと30回分に相当するが・・・
28回分+初回のみの空打ち1回分+押す強さで1回量が若干変わるのでちょっと多めに29回+αという設計になっているため、28回分しか定量が出る保証がない。
容器本体内部にカウンターがついており、30回を超えてボタンを押せないような仕組みになっている。
 


空打ちについて
初回開封時のみ正常に薬液がでるか確認するための空打ち1回は必要だが、以降は空打ち不要で使用できる。
インスリンの場合は1単位ずつ細かい用量調整が必要なため、針内部の空気抜きを行う空打ちが必要だが、フォルテオは安全・有効領域が広いため、厳格な用量調節の必要はない。
そのため、空打ちは不要。
 


保管について
常に冷所保存。インスリンとは違い開封後も冷所保存。
冷たい薬液を注射することで痛みを感じる場合は、室温で15分程放置し、薬液の温度を室温に近づけてから注射することで解消される。




【 P R 】

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