アミティーザカプセルのあれこれ備忘録



アミティーザカプセル(一般名:ルビプロストン)について



作用機序

小腸粘膜上皮組織にあるクロライドチャネルに結合し、小腸内腔にClイオンを放出
⇒同時にNaイオンも小腸内腔に移行
⇒浸透圧が減少し小腸内腔に水が染み出てくる




酸化マグネシウムとの違い

どちらも浸透圧性の下剤なので、腸に水分を集める効果(結果)は変わらないが、酸化マグネシウムは直接イオンを服用することで浸透圧変化を起こさせるのに対し、ルビプロストンは体内のイオンを利用し浸透圧変化を起こさせるため、酸化マグネシウムの副作用にある高Mg血症のような電解質異常が起きにくいというメリットがある。
特に高齢者のような生理機能が低下している患者には低リスクで使用できる薬剤といえる。

また、その他の下剤(センノシド・酸化マグネシウム等)の併用は問題なし。



他の下剤からの切り替え

今まで服用していた下剤をすべて中止しルビプロストンに切り替えてしまうと便秘が再燃してしまうことも考えられるため、切り替え時は今まで服用していた下剤の半量+ルビプロストンと様子を見ながら、徐々に下剤を減量したほうが安心。









ルビプロストンの用量の設定について

ルビプロストンは用量依存的に効果を発現しない(効果の頭打ちがある)
48μg(2カプセル)で効果が最大となり、それ以降増量してもそれほど効果が変わらないため適宜増量はない。(適宜減量はあり:中度の肝・重度の腎障害者)
尚、過量投与による副作用の増加報告はないため、安全性は大。





禁忌について備考

妊婦・授乳婦禁忌について

ラットの実験でルブプロストンを服用させたところ、食欲が減退し流産した報告がある。
母乳・子宮内の移行率はそれほど高くはないが、念のため禁忌としている。

(アメリカでは禁忌になっていない)



副作用についての注意事項

悪心が23%と頻度が高いので注意(食後より空腹時の方が発現率が高い)

理由)ルビプロストンは小腸に作用し、浸透圧現象の結果、腸の蠕動運動が促進されるが、胃への働きがないため、腸は動いても胃が動かない状態になる。その消化管運動の差が悪心へとつながると考えられる。


対策1)食後服用…胃の蠕動運動が促進されている時間に服用することで、蠕動運動の差が少なくなり、悪心の発生率が低減する。


対策2)ガスモチン・ガナトンのような蠕動運動促進薬を2週間程度併用し悪心の頻度を減らす。



窓際Pharmacistの独り言・・・
アミティーザの悪心嘔吐は、臨床でも結構な件数を目にします。
悪心は副作用の中でもQOLにかかわる問題ですので、初回投薬時には悪心の説明と対処法の指導はしっかりしたほうが良いですね・・・



【 P R 】

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