2016年診療報酬改定 疑義解釈その1 2016年4月1日② 【分割調剤、基準調剤加算】



2016年診療報酬改定の疑義解釈、分割調剤と基準加算についてです。




【分割調剤】
(問14)同一医療機関で複数の診療科から発行された処方せんを同時に受け付けた際 に、ある診療科からの処方せんは分割指示があり、他の診療科の処方せんでは分割指示がない場合、調剤報酬の算定はどのように取り扱うべきか。
(答)通常、同一患者から同一日に複数の処方せんを受け付けた場合は受付回数を1回 とするが、分割指示の処方せんが含まれる場合に限っては、同時に受け付けた場合 であっても、分割指示の処方せんとして1回、分割指示のない処方せんとして1回 のように、処方せんごとに別で取り扱い、それぞれの受付ごとに調剤報酬を算定し て差し支えない。
なお、このような事例については、特定の診療科の処方せんのみ分割調剤する ことが妥当かどうか確認の上、医師に疑義照会するなど必要な対応を行うこと。
(問15)上記の際に、分割指示の処方せんが複数あり、分割指示の方法(分割回数や 期間)が異なる場合、どのように取り扱うべきか。
(答)分割指示が異なる場合は、分割調剤の方法が異なることにより、患者が適切に服 薬できるか等の妥当性を確認の上、医師に疑義照会するなど必要な対応を行うべき である。
(問16)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば2回目 の調剤時に、残薬や副作用が確認され、医師に疑義照会して2回目以降の処方 内容が変更された場合、重複投薬・相互作用等防止加算又は在宅患者重複投薬 ・相互作用等防止管理料の算定は可能と理解してよいか。
(答)貴見のとおり。 なお、当該分割調剤時に算定できる点数は、重複投薬・相互作用等防止加算又は 在宅患者重複投薬・相互作用等防止管理料を含んだ技術料の合計の2分の1又は3 分の1の点数を算定する。
(問17)調剤基本料の「注8」の医師の指示に伴う分割調剤について、例えば、分割 指示が3回で、1回目は時間外加算の対象、2回目は時間外加算の対象外、3 回目は時間外加算の対象の場合、どのように算定することになるか。
(答)それぞれの分割調剤を実施する日に、当該処方せんについて分割調剤を実施しな い場合に算定する点数(調剤基本料及びその加算、調剤料及びその加算並びに薬学 管理料)を合算した点数の3分の1に相当する点数を算定する。したがって、調剤 時に時間外加算の要件を満たす場合には、当該加算も合算した点数に基づき算定す ることになる。
【具体例】(90日分処方 → 30日×3回の分割指示、調剤時には一包化を行う)
※薬剤料は調剤した分を算定
〈1回目〉※時間外加算を含めて合算する。
・調剤基本料 41点
・基準調剤加算 32点
・調剤料(1剤の場合) 87点(90日分)
・一包化加算 220点(90日分)
・時間外加算 160点
・薬剤服用歴管理指導料 50点
計 590点 × 1/3 = 196.66・・≑196点+薬剤料(30日分)
〈2回目〉
・調剤基本料 41点
・基準調剤加算 32点
・調剤料(1剤の場合) 87点(90日分)
・一包化加算 220点(90日分)
・薬剤服用歴管理指導料 38点
・服薬情報等提供料 20点
計 438点 × 1/3 = 146点+薬剤料(30日分)
〈3回目〉※時間外加算を含めて合算する。
・調剤基本料 41点
・基準調剤加算 32点
・調剤料(1剤の場合) 87点(90日分)
・一包化加算 220点(90日分)
・時間外加算 160点
・薬剤服用歴管理指導料 38点
・服薬情報等提供料 20点
計 598点 × 1/3 = 199.33・・≑199点+薬剤料(30日分)









【基準調剤加算】
(問18)基準調剤加算の算定要件に「当該保険薬局の開局時間は、平日は1日8時間 以上、土曜日又は日曜日のいずれかの曜日には一定時間以上開局し、かつ、週 45時間以上開局していること」とあるが、祝日を含む週(日曜始まり)につい ては、「週45時間以上開局」の規定はどのように取り扱うのか。
(答)国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)第3条に規定する休日並びに 1月2日、3日、12月29日、12月30日及び31日が含まれる週以外の週の開局時間で 要件を満たすか否か判断すること。
(問19)基準調剤加算の算定要件について、「土曜日又は日曜日のいずれかの曜日に は一定時間以上開局」とあるが、「一定時間以上」は具体的に何時間必要か。
(答)基準調剤加算の開局時間の要件は、特定の医療機関の診療時間にあわせるのではなく、地域住民のため、必要なときに調剤応需や相談等に応じられる体制を評価す るために定めたものである。平日は毎日1日8時間以上の開局が必要であるが、土 曜日又は日曜日の開局時間に関しては、具体的な時間数は規定しない。ただし、算 定要件を満たすためだけに開局するのではなく、地域の保険医療機関や患者の需要 に対応できる開局時間を確保することが必要である。
(問20)基準調剤加算の算定要件について、在宅の実績は年間1回でも算定実績があ れば要件を満たしていると理解してよいか。
(答)貴見のとおり。
(問21)基準調剤加算の算定要件について「患者のプライバシーに配慮していること」 とされているが、具体的にはどのような対応が必要となるのか。
(答)患者との会話のやりとりが他の患者に聞こえないように配慮する必要がある。具体的には、複数のカウンターがある保険薬局はその両サイドをパーテーションで区 切ることが考えられる。また、カウンターと待合室との距離が短い場合は十分な距 離を確保することや、会話が他の患者に聞こえないような対策をとるなど、やりと りが漏れ聞こえないような対応が必要となる。




【 P R 】

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