2018年診療報酬改定 改定項目が具体的に見えてきた

日薬ニュースで公表された情報によると、中医協は1月24、26、31日に改定項目について議論したそうです。

各点数については2月7日(水)に答申される見込みということですので、いよいよ次回改定の全貌が見えてきそうです。

現時点で中医協より明らかにされている情報をまとめてみると・・・


①かかりつけ薬剤師の評価

●同意取得様式の整備
●月100件以上算定実績がある場合の特例除外の廃止
●在籍期間の見直し

⇒大型チェーン店が調剤報酬確保のために躍起になっていたかかりつけ薬剤師の算定が・・・



②地域に貢献する薬局の評価

●基準調剤加算の廃止及び地域支援体制加算の新設

⇒ここは大きなポイントかと。基準調剤加算も大手はデフォルトの基本料と化していましたが、算定基準も噂では結構厳しいものになりそうな予感・・・



③在宅薬剤管理指導料の居宅場所に応じた評価

●単一建物の診療人数に応じた評価の見直し

⇒医療・介護同時改定年のため、介護報酬の居宅療養管理指導料に合わせた点数になる可能性も。


【参考】2018年 居宅療養管理指導料の改定内容
<病院又は診療所の薬剤師>
単一建物居住者の人数
1人    ・・・ 558単位
2~9人  ・・・ 414単位
10人以上 ・・・ 378単位

<薬局の薬剤師>
単一建物居住者の人数
1人    ・・・ 507単位
2~9人  ・・・ 376単位
10人以上 ・・・ 344単位

<加算>
●特別地域加算:所定単位数の100分の15
●中山間地域等における小規模事業所加算:所定単位数の100分の10
●中山間地域等に居住する者へのサービス提供加算:所定単位数の100分の5


※以下のリンクで介護報酬改定の詳細が確認できます。
薬剤師の居宅療養管理指導料については PDFの31枚目(ページ27)に書かれています。

【リンク:厚生労働省】平成30年度介護報酬改定 介護報酬の見直し案








④効率的で質の高い在宅薬剤管理指導業務の推進

●無菌製剤処理加算の見直し
●在宅薬剤管理指導料における乳幼児に対する業務の評価を新設




⑤薬局における対人業務評価の充実

●服用薬剤調整支援料の新設
●お薬手帳の活用実績が相当程度認められない薬局に対する薬剤服用歴管理料の区分の新設
●かかりつけ薬剤師指導料・薬剤服用歴管理指導料等の見直し
●重複投与・相互作用防止加算の評価の見直し
●服薬情報提供料の評価の見直し
●無菌室共同利用等の評価の見直し
●内服薬の調剤料の見直し

⇒一番のコアな部分である技術料・管理料にかなりの見直しがあります。特にお薬手帳に関しては・・・この内容から察するに手帳の算定率が低い薬局は減算の対象になるということでしょうが・・・このやり方だと無意味な手帳時代に戻ってしまいそうな・・・
現行の手帳を持参するとお薬代が安くなるルールは、かなり良い方向転換だと思っていたので、是非とも現行通りでいってほしかったのですが・・・



⑥常勤の薬剤師に係る週当たりの勤務時間の特例

●育児・介護休業法に定める例外規定の設置
(かかりつけ薬剤師指導料及びかかりつけ薬剤師包括管理料)




⑦薬局における後発医薬品の使用促進

●後発医薬品調剤体制加算の算定基準の見直し、減算既定の設置

⇒いよいよ減算がでるようですね。減算するなら処方箋の変更不可品目は除外対象にするなどの措置がないと、アンチジェネリックの門前薬局はかわいそうな気がします・・・

体制加算の後発比率は、85%、80%、75%の3段階というのがもっぱらの噂ですが・・・減算対象が何パーセントになるのかが焦点になりそうですね。



⑧処方箋様式の見直し

●分割調剤に係る処方箋様式を追加
●あらかじめ合意した方法における残薬調整に係る疑義紹介の取り扱いの明確化

⇒分割調剤に関しては、リフィル処方を実現するための整備といった感じですね。



⑨いわゆる門前薬局の評価の見直し

●対象範囲の拡大
●いわゆる同一敷地内薬局の評価の見直し

⇒チェーン潰しとして前回改定の時に話題になった部分ですが、今改定で特例除外がなくなると中小チェーンは生き残れるのでしょうか??



⑩未妥結減算の見直し

●「単品単価契約率」及び「一律値引き契約に係る状況」の報告を行わない場合の減算
●未妥結減算及びかかりつけ薬剤師・薬局の基本的な機能に係る業務を実施していない場合の減算と統合



窓際Pharmacistの独り言・・・
チェーン潰しで話題になった2016年の改定でしたが、今回の改定もその方針は色濃く残っているようですね。
今改定では基準加算が廃止され、地域支援体制加算が新設される予定ですが、算定要件に「服薬情報提供料の算定をしたことがあるか」など、形式的な実務のみでは算定できないような要件設定がされてくるようです。大手が基本料アップのためにデフォルトで算定しているイメージが強い基準加算でしたが、そこを潰すために敢えてハードルの高くしたのでしょうけど、、、それでも大手は新加算をデフォルトで算定できるよう躍起になるのでしょう。。。
改定の度に点数を確保するための業務が話題になりますが、これを繰り返しているから薬局の風当たりがどんどん厳しくなっているのだと気付いてほしいです。
近い将来訪れるかもしれないリフィル処方箋時代に向け、薬剤師の居場所を自らが作り上げる努力をすることが今は大切なのでは?と
窓際で思う今日この頃・・・





【 P R 】

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