腸溶製剤ベンコール配合錠は粉砕できるのか??



腸溶製剤の粉砕指示がきた・・・


先日、嚥下困難者に粉砕指示で腸溶製剤であるベンコール配合錠の処方がでました。



腸溶製剤は胃で不活化されたり胃障害が強い成分だったりと様々な理由で通常、粉砕は不可ですが、「薬と相互作用のしくみ」という書籍の中の「腸溶化が損なわれても問題のない薬剤」という項の一節に、



浸潤性下剤のベンコール配合錠(ジオクチルスルホサクシネート・カサンスラノール)は、発売初期に胃刺激成分が含まれていたため腸溶化されたが、現在ではその成分は含まれていない。


と書いてありました。








ことの真偽を確かめるため・・・念のため日医工の情報センターに確認をとってみると・・・


発売当時は添加物にビサコジルが含まれていたため、胃腸障害防止のため腸溶化されていたが、1982年(昭和57年)にはビサコジルを省いた製剤に変更になっているため、胃腸障害の心配はないということでした。



たしかに、これなら粉砕可能ということですね。





ただし、粉砕後の安定性試験によると・・・


25℃、75%、遮光の条件下で1か月保管したところ、外観に変化は見られなかったが、カサンスラノールの含有量が6.6%低下した


という結果が出ているそうです。




嚥下困難者にベンコール配合錠を投薬する際、すぐに服用するようであれば粉砕は問題ないですが、頓用目的で長期間保管の可能性がある場合は、粉砕せずに保管したほうがよさそうですね。





ベンコール配合錠の成分情報



①ジオクチルスルホサクシネート
界面活性作用を呈し、硬結便に水分を浸透させて適当に軟化することにより消化管や肛門等を刺激せず、自然の排便に導くと考えられている。
この、界面活性作用を利用して、耳垢水としても用いられている成分。



②カサンスラノール
古くより欧米において緩下剤として知られているカスカラサグラダの有効成分を抽出したもので、従来のカスカラサグラダ製剤にしばしば認められた嘔吐を催す成分が除去されており、しかも台帳でのみ作用と考えられている。




【 P R 】

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